ハイパーサーミア学会

日本ハイパーサーミア学会
37回大会
Online2020 標準治療を目指したハイパーサーミアの治療戦略

一般演題

  • 臨床1

    座長

    塩谷 真里子公立藤岡総合病院

    • PARP阻害剤を併用し効果が認められた再発卵巣癌の1例

      *加藤 泰規1、北野 昌之1

      1. 医療法人社団 加音 三大寺リハビリクリニック

      症例は80歳女性、2014年に地域中核病院婦人科で左卵巣癌、腹膜播種 StageⅣbの診断を受けた。TC療法を4回行われたのち、手術治療が行われた。2015年に子宮全摘、両側付属器摘出などが施行され、漿液性嚢胞性腺癌 ypT3CN1M1(傍胸骨リ ンパ節)と診断された。術後TC+Bev治療が行われたが、アルコール不耐によると考えられる意識消失発作のため、1コースのみ施行された。それ以降患者は化学療法を拒否し経過観察となった。2018年になりCA125の上昇が認められ当院受診。2019年9月までHT単独治療を行ったが、CA125の上昇は持続した。その後TCを再度受けることを了承したためTC療法を施行。CA125の低下を認め、本年1月からPARP阻害剤が開始となった。投与開始前、CA125は6550、肝下面と骨盤内に5㎝大の腫瘍を認め、腹痛などの症状を呈していたが、2020年4月、併用治療開始後CA125は245まで低下し、肝下面と骨盤内腫瘍は3㎝大まで縮小、腹痛は消失した。 再発卵巣癌では、白金系抗悪性腫瘍薬剤に感受性があるケースではPARP阻害剤の維持療法が適応と考えられ、本症例でもHTとの併用下で効果が認められた。しかしBRCA遺伝子変異が存在すると考えられるケースではHTの上乗せ効果が判断しづらいため、HTの併用効果を判断するには遺伝子変異のない症例で検証される必要がある。
    • 電磁波温熱療法を中心としたがん集学的治療を施行し長期生存している切除不能非小細胞肺癌の1例

      *成定 宏之1、福島 靖之1、森岡 丈明2、嶋田 愛3、鈴木 美結3

      1. 医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院 がん集学的治療センター、2. 医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院 放射線科、3. 医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院 臨床工学科

      症例は70歳代女性。前医で下行大動脈に直接浸潤及び左転移性胸壁腫瘍のため、切除不能非小細胞肺癌の診断となりアリムタ+アバスチン+カルボプラチンの治療を開始。その後維持療法に変更し治療を継続されていたが、その途中で私の治療を希望されたため紹介受診。髪が抜ける薬剤の使用を断固拒否された方である。来院時の評価CTにて病状はSDを維持できていたため、薬剤を変更せずに温熱療法+高気圧酸素療法を併用し治療を開始。長期間病状の制御が得られtotal 58クールまで施行可能であった。しかしその後後腹膜リンパ節の急速な増大及び縦隔リンパ節腫大を認めPDと診断。胸壁病変のPD-1発現5%であり、キイトルーダを使用開始したところ著効し、そこから25クール制御されていた。しかし、約2年後に原発巣および胸壁病変の急速な増大を認めた。ここからCDDPの少量投与+電磁波温熱療法+高気圧酸素療法の併用を行いながら上記増大した2部位に対して準根治的な放射線治療を開始。2020/5/8現在その照射終了から約8か月経過しているが、腫瘍マーカーは正常化した。照射後S1+CDDPの少量投与+電磁波温熱療法+高気圧酸素療法の併用を継続している。治療開始から約8.5年タキサン系薬剤を使用せずにPS0を維持し、増悪をするたびに速やかな治療の変更を行い、患者満足度の高い状態を維持できている症例を報告する。
    • 温熱療法の局所進行・切除不能膵癌に対する同時化学放射線治療における有用性についての評価

      *廣嶋 悠一1,2、福光 延吉3、斎藤 高1,2、清水 翔星1,2、中村 雅俊1,2、飯泉 天志1,2、沼尻 晴子1,2、水本斉史1,2、中井 啓1,2、奥村 敏之1,2、櫻井 英幸1,2

      1. 筑波大学医学医療系 放射線腫瘍学・陽子線医学利用研究センター、2. 筑波大学附属病院 放射線腫瘍科・陽子線治療センター、3. 神戸陽子線センター 放射線治療科

      【目的】温熱療法を局所進行切除不能膵癌に対する同時化学放射線治療において併用した際の臨床成績について検討する。【方法】2005年から2016年に化学放射線治療が行われた膵癌患者67名を対象に後方視的に解析した。対象は36-83歳、男38名、女29名であった。35名に温熱療法が併用された。25名にX線、42名に陽子線治療が行われた。【結果】観察期間は1.3-60.9ヶ月、中央値は13.0ヶ月であった。観察期間中、44名が死亡した。初回再発形式として局所再発が13名に、遠隔転移が27名に、同時に認められたのは9名であった。CTCAE ver4.0におけるGrade3以上の晩期有害事象として非血液毒性ではGrade3十二指腸潰瘍が1名に認められた。晩期有害事象としてGrade3の十二指腸潰瘍が1名に認められた。陽子線治療群の1年/2年生存率及び局所制御率はそれぞれ77.8/ 50.8%及び83.3/ 78.9%、X線治療群はそれぞれ67.4/ 14.2%及び50.1/ 16.1%であった。予後因子として全生存率では総線量(p=0.007)、局所制御率ではT因子、線種、総線量、温熱療法が抽出された(p=0.030, 0.004, <0.001, 0.027)。【結語】局所進行切除不能膵癌に対する同時化学放射線治療において、温熱療法を併用することで安全に治療成績の向上を達成できる可能性がある。
    • 尿膜管癌術後,化学療法不応の縦隔リンパ節再発に対し温熱療法併用放射線治療を施行した一例

      *中村 雅俊1、石川 仁2、神鳥 周也3、清水 翔星1、廣嶋 悠一1、飯泉 天志1、齋藤 1、沼尻 晴子1、中井 啓1、水本 斉志1、奥村 敏之1、櫻井 英幸1

      1. 筑波大学医学医療系 放射線腫瘍学、2. 量子科学技術開発研究機構QST病院、3. 筑波大学医学医療系 泌尿器科学

      【背景】尿膜管癌は,膀胱悪性腫瘍の1%未満と稀な腫瘍である.標準治療は手術だが,約40%で再発がみられ,その救済療法は確立していない.今回,上大静脈および気管の圧排を呈した化学療法無効の縦隔リンパ節転移に対して温熱療法併用放射線治療を施行した一例を経験したので報告する.【症例】70歳代男性.肉眼的血尿で発症した膀胱頂部の尿膜管癌に対して,膀胱部分切除術+尿膜管摘出が施行された(pT3N0Mx).術後2か月で右閉鎖リンパ節再発を認め,化学療法後に骨盤内,大動脈周囲リンパ節廓清術が施行された.1年後,右下葉に単発肺転移に対して胸腔鏡下手術が施行された.その2か月後には,縦隔リンパ節転移が出現したため,SP療法・CPT-11を行ったが,半年後に再増大し,気管および食道の圧排を認めた.気管切開が困難なため,気道確保を目的とした放射線治療のために紹介された.化学療法不応,CTで内部低吸収であることから,総線量60Gy/30frの放射線治療に温熱療法を併用する予定としたが,浮腫によるリスクを考慮し,照射後半に3回のみ併用した.照射終了時にCTで内部壊死が目立ち,2か月後の再検査でも再増大は認めていない.急性期有害事象はGrade 1の皮膚炎を認めるのみであった.【結語】気管狭窄のため,温熱治療併用開始のタイミングに苦慮した尿膜管癌の放射線治療例を経験した.
    • 再発性・遺残性悪性軟部肉腫に再発性・遺残性悪性軟部肉腫に対する温熱併用放射線化学療法の治療成績

      *相羽 久輝1、山田 聡1、齊藤 志朗1、村上 英樹1

      1. 名古屋市立大学 整形外科

      緒言:悪性軟部肉腫が再発した場合や、初回切除が不十分で遺残した場合、高い再発率のため治療成績が不良である。我々の施設では、温熱療法を、放射線療法・化学療法に併用した温熱併用放射線化学療法(RHC)を、このような難症例に対して適応としている。方法:1994-2013年まで、再発性・遺残性悪性軟部肉腫23例に対してRHCを行った。腫瘍型としては未分化多形肉腫11例、滑膜肉腫3例、平滑筋肉腫2例、粘液型脂肪肉腫2例、その他であった。1サイクルの治療として、温熱療法としてサーモトロンRF-8を用いた腫瘍内42.5℃/60分を目標とした加温を行い、シスプラチンもしくはピラルビシンの同時投与を5サイクル行った。またに計40Gyの放射線照射を加温前に行った。本研究では、術後5年後の全生存率、無再発生存率(遠隔・局所)の検討を行った。結果:RHCは平均4.5サイクル行われ、19例の患者が42.5℃/60分以上の加温が可能であった。うち14例は3回サイクル以上の目標加温を達成した。術後5年生存率は86%、無遠隔転移生存率は77%、無局所再発生存率は86%であった。単変量解析では腫瘍断端陽性・深部発生の場合、有意に生存率・無遠隔転移生存率が悪い傾向であった。結論:単群の治療成績報告であるが、再発性・遺残性悪性軟部肉腫に対するRHCは治療選択の一つと考えられる。
    • トリプルネガティブ乳癌における温熱療法の有効性

      *森 信二1、出口 葉子2、出口 雅彦2

      1. 医療法人あいん会 温熱治療センター、2. 医療法人あいん会 あいん常澄医院

      【はじめに】トリプルネガティブ乳癌(以後「TN乳癌」と呼ぶ)は、細胞分裂が早いため進行しやすい特徴があり、乳癌に効果的なホルモン療法や分子標的薬が使えないので治療方法が限定され、通常の乳癌よりも再発しやすく予後不良になりやすいと言われている。今回我々は、TN乳癌に対して、抗癌剤+温熱療法で良好な結果を得たので報告する。【症例1】50代女性、2014年6月に右TN乳癌発見、同時に右腋窩及び肝臓に転移が見つかり抗癌剤を開始。同時に本人の希望により温熱療法も開始となる。その後、FEC療法→T療法→ゼローダ+ホルモン療法を施行しながら温熱療法も併用した。現在、転移も消失し、ゼローダを服用しながら月1回の温熱療法を継続している。2020年6月までの温熱療法の治療回数は77回となる。【症例2】50代女性、2018年10月に右TN乳癌発見と同時にリンパ節2箇所に転移が見つかりFC療法を4サイクル施行するが、あまり効果が無く、ドキタキセルに変更して4サイクル施行する。ドキタキセル開始と同時に当院を受診して温熱療法の併用となる。その後、2019年3月の手術時にはリンパ節転移も消失していたため腫瘍部分だけの切除となり、術後に2Gy/回、50Gyの放射線治療を施行するだけで寛解となる。現在も予防治療を兼ねて温熱療法は継続され、2020年6月までの治療回数は60回となる。
    • 膵癌に対するハイパーサーミア長期治療症例の臨床成績

      *林 賢1、林 由美子1、寺嶌 美咲1、塚澤 千鶴1、那須 文月1

      1. 西和田林クリニック 外科

      【はじめに】当院では2014年5月よりサーモトロンRF-8を用いた局所の電磁波温熱治療を開始した。導入後5年半における膵癌症例の臨床成績につき検討する。【対象】昨年9月までに当院で施行した治療者はのべ568症例、平均年齢は68.0歳(29~94歳)、男性298例、女性270 例でのべ13583回(平均23.9回)を施行した。膵癌症例は85例であり、平均年齢は68.5歳、男性51例、女性34例、切除症例:非切除症例は47:38例であった。膵癌の進行度はStage II=5例、Stage III=9例、Stage IV=71例であった。【方法】膵癌85症例生存曲線をカプランマイヤー法で示し、本邦の膵癌切除症例生存曲線と比較した。またハイパーサーミア半年以上症例を長期治療群(33例)として同様に生存曲線を作成し比較検討した。【結果】膵癌全症例では生存曲線で示すと1年生存62.7%、2年生存27.8%、3年生存13.4%、5年生存4.5%でほぼ本邦の膵癌切除症例生存率とほぼ同等の成績であった。一方長期治療群では1年生存83.9%、2年生存=79.0%、3年生存56.8%、5年生存31.2%と本邦切除症例と比較し成績良好であった。【結語】ハイパーサーミア治療の効果を単独で評価する事は困難であるが、難治性癌である膵癌において集学的治療との併用により一定の上乗せ効果が期待できる。
    • 進行再発乳癌症例に対するオンコサーミア療法

      *長田 拓哉1、金森 昌彦2

      1. 東邦大学医療センター大橋病院外科、2. 富山大学医学部人間科学科

      【はじめに】当院では進行再発乳癌に対する集学的治療の選択肢の一つとして、新規温熱療法(オンコサーミア)を用いた臨床研究を行なっている。これまでに10例の治療を行い、その治療成績について報告する。【方法】症例は進行再発乳癌の10症例。オンコサーミアは当院の倫理委員会で承認された治療プロトコールに沿って行われた。治療時間は1時間で、出力を段階的に120Wまで上昇させた。週2回治療が7例であり、週3回治療が3例であった。患者一人当たりの平均治療回数は53回(8〜90回)であった。【結果】オンコサーミア治療中、患者は装着した電極を中心に快適な暖かさを感じた。体温上昇は軽度であったが、中には全身の発汗を認める症例も見られた。全例で明らかな副作用の出現を認めなかった。10例中6例で抗癌剤や放射線療法など、他治療と温熱療法が併用して行われ、2例(33%)で明らかな病変の縮小を認め、PRと判定した。1例は病変に変化を認めずSDと判断され、3例(50%)は治療中に転移が増大しPDと判断された。10例中4例は本人の希望により温熱療法が単独で行われた。その結果1例がPR、2例がSD、1例がPDであった。PRと判断された3例中、2例は治療終了後に癌の転移が再び増悪したが、1例は根治手術を行うことができ、現在も再発を認めていない。【結語】進行再発乳癌におけるオンコサーミア療法の有効性が示唆された。
  • 臨床2

    座長

    照沼 裕医療法人財団 健貢会 東京クリニック

    • 安全に温熱療法を施行しえた迷走神経刺激装置(VNS)が留置された切除不能胃癌の1例

      *山口 良美1、沢井 博純2、上野 修平2、鈴木 友香1、村田 朱1、菅沼 江菜美1、山本 和也1、樫山 雪乃3、吉田 隼也4、栗本 昌明2、小出 修司2、葛谷 宙正2、小出 肇2、神谷 厚2、成田 真4

      1. 成田記念病院放射線部、2. 成田記念病院外科、3. 成田記念病院臨床工学室、4. 成田記念病院消化器内科

      【背景】ラジオ波によりてんかん治療のための迷走神経刺激装置(vagus nerve stimulator;VNS)に支障をきたす可能性があるため、これまでVNS留置患者に対する温熱療法は行われてこなかった。今回他施設より、VNSが埋め込まれた患者に対する温熱療法の依頼があった。VNSは左頸部迷走神経束に微弱な電気刺激を規則的に出力する電子機器であり、この刺激を持続的に行うことで脳波活動に作用して、てんかん発作の抑制をする。ジェネレータは左鎖骨下に埋め込まれている。【症例】55歳、男性、切除不能胃癌。てんかん発作を発症した時の為に点滴ルートを確保し、温熱療法直前に装置の電源を一時停止し、ジェネレータに電極が当たらないようポジショニングに配慮し、温熱療法を行った。終了後に電源を再開し、故障していないかインピーダンスを確認した。【結語】VNSが埋め込まれた患者に対しても、1時間程度の一時停止で充分な対策を講じ準備をすれば、安全に温熱療法が行えた。ジェネレータが電極に当たらなければ、故障することもなかった。しかし、VNSを一時停止にするための装置が当院になく毎回経費が掛かることが懸念される。
    • 温熱療法による免疫チェックポイント阻害薬をふくめた免疫療法の効果の増強

      *武田 力1,2、久保田 結衣1,2、武田 和1,2,3、中野 義人1、天野 幸華1、武田 寛子1、長谷川 武夫4,2、横山雄起2,3、山本 浩文2

      1. 大阪がん免疫化学療法クリニック、2. 大阪大学大学院医学系研究科分子病理学、3. 大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学、4. ルイ・パストゥール医学研究センター

      「はじめに」電磁波温熱療法は放射線や抗癌剤や免疫細胞療法の効果を増強する。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果を増強するかを検討した。「臨床データ」 当院では2005年より14年で2037例の進行再発癌患者に樹状細胞療法を施行した。2016年より4年で114例にICIを併用した。樹状細胞とICIを併用した複合免疫療法で有効率は増強した。一旦効果がでた複合免疫療法の効果なくなった後、温熱療法で著効する例を経験したので、臨床例と動物実験で温熱療法のICIへの効果増強について検討をすすめた。「実験データ」マウスにMC38腫瘍を移植して温熱療法(42℃で30分)を3日間施行後、組織を採取すると、PD-L1とMHC-classIの増強と、CD8細胞の浸潤増加が認められ。これに合わせてp-STAT1も増強されていた。温熱前後の臨床例の組織でも同様の効果が得られた。「考案」免疫チェックポイント阻害薬を使用する場合に温熱療法が効果を増強する事が示唆された。
    • ハイパーサーミアによる電圧負荷と体組成の比較検討

      *岩間 貴也1、及川 寛太1、村松 美智子1、及川 純子1、及川 慶一1

      1. 医療法人 天音会 おいかわ内科クリニック

      治療に当たる際、電圧負荷を多くしたいが電圧負荷にこだわりすぎると患者の痛みや熱傷リスクも負う。痛みの原因は様々であるが、体型によるものも多いとされている。我々は、生体インピーダンス法による体組成計を用いて、オーダーメイド電圧負荷の算出を目的として検討した。対象は18症例(男性10人、女性8人)。それぞれ平均BMI(男性:24.5、女性:22.3)、体脂肪率(男性:24.1、女性:32.8)、W/H比(男性:0.90、女性:0.89)であった。治療部位は腹部で、治療体位は腹臥位症例に統一した。結果は男性の平均最大電圧は888W、平均最小電圧は300W、女性の平均最大電圧は725W、平均最小電圧は320Wであった。BMIの比較では、BMI25未満で平均最大電圧は808W、平均最小電圧は313W、BMI25以上で平均最大電圧は800W、平均最小電圧は300Wであった。体脂肪率2の比較では、体脂肪率20%未満で平均最大電圧は850W、平均最小電圧は300W、20%以上で平均最大電圧は800W、平均最小電圧は311Wであった。W/H 比の比較では、0.90未満で平均最大電圧は825W、最小電圧は283W、0.90以上で平均最大電圧は788W、平均最小電圧は338Wであった。以上より、BMI、体脂肪率、W/H比ともに非肥満群が電圧負荷をかけられる傾向を認めた。今後症例を重ね更に検討したい。
    • ハイパーサーミア治療による皮膚疼痛緩和の工夫

      *村松 美智子1、及川 寛太1、岩間 貴也1、及川 純子1、及川 慶一1

      1. 医療法人 天音会 おいかわ内科クリニック

      ハイパーサーミア治療において、皮膚表面の痛み(ピリピリ感)は、至適治療加温を得る上で問題点となる。我々は、2017年7月より本治療を導入し、現在に至るまでに取り組んできた治療疼痛緩和の工夫を考察したので報告する。対象は胸部、上腹部、下腹部の背臥位と腹臥位で治療を行ってきた74例。結果として、同等の電圧負荷であれば上腹部、下腹部よりも胸部の方が、疼痛は少ない。また、部位は問わず背臥位よりも腹臥位の方が疼痛は少ない。まれに身体的要因で腹臥位の維持が難しい症例もある。さらに、機械的要因として、連続発振と間欠発振の選択枝があることは周知の通りである。当院では、局所的な疼痛緩和として、1)1Ultrasound gelの適宜塗布、2) 生食バック(純正)、3)循環水のコールドスタート、4)リドカイン2%塗布、5)テーピングテープ法(治療部位の外側周囲を貼付する)、6)治療前のNSAIDs使用(ジクロフェナクナトリウム坐剤、ロキソプロフェン内服)、7)アロマテラピー、8)会話法がある。それぞれに特徴はあるが、当院の現在の主流は、1)と4)である。コストの面からは伴にかかるが、至適治療加温を得ることを優先し今後も取り組む。
    • 新規参入施設としての温熱療法の施行状況

      *野尻 智子1、高仲 強2、高 将司2、川原 昌宏1、田中 麻香1、則島 あずさ1、山下 国子3、坊 小百合4

      1.厚生連高岡病院 画像診断部、2. 厚生連高岡病院 放射線治療科、3.厚生連高岡病院 看護部、4.高岡市民病院 放射線科

      当院では庄内クリエート社製アスクーフ8を導入し、2019.10より温熱療法を開始した。そこで2019.10~2020.06までの9か月間における施行状況を報告する。 当院では週1回、1クール6~8回、1回40~50分を基本としている。この期間に温熱療法を施行した患者は69名で、男性41名、女性28名、年齢33才~90才であった。 原発巣は舌、甲状腺、肺、乳房、胆・胆道、膵、食道、胃、結腸・直腸、子宮頸部、卵巣、胸膜中皮腫、後腹膜脂肪肉腫と多岐にわたっている。 入射部位の内訳は頸部6%、胸部32%、乳房2%、腹部42%、骨盤18%だった。 目標出力を当院独自に、頸部600W、胸部1000W、乳房500W、腹部1200W、骨盤部800Wと規定した時、総入射回数のうち、頸部では88%、胸部では77%、乳房では100%、腹部では83%、骨盤部では97%目標出力に到達した。また、総治療時間に対する目標出力継続時間は、頚部49%、胸部53%、乳房78%、腹部55%、骨盤部では67%あった。 十分入射出来なかった症例もあるが、治療回数を重ねるにつれ、有効な入射が可能となってきている。今後は技師のレベルアップに伴う目標出力の向上を目指し、さらに腫瘍温度を測定し有効性を評価したい。
    • 大腸癌腹膜播種に対する腫瘍減量手術および腹腔内温熱化学療法の治療成績

      *森川 充洋1、田海 統之1、成瀬 貴之1、呉林 秀崇1、澤井 利次1、小練 研司1、玉木 雅人1、村上 真1、廣野 靖夫2、片山 寛次1、五井 孝憲1

      1. 福井大学第一外科、2. 福井大学がん診療推進センター

      【目的】大腸癌腹膜播種に対する腫瘍減量手術(CRS)+腹腔内温熱化学療法(HIPEC)が海外で拡がっているが本邦では少ない.当科ではR0を目指すものの臓器温存を目的にCC1までは容認し,反面42.5-44℃の高温度のHIPECを施行しており治療成績について報告する.【方法】対象は1990年~2020年3月にCRS+HIPECを施行した56例 (虫垂癌は除外)で,短期成績,予後について後方視的に解析した.PCIはROC曲線にてcut-off値を算出し予後を比較した.【成績】P1/P2/P3:6/9/41例,PCIの中央値:6(1-33),CC0/1/2/3:35/8/10/3例,PCIのcut-off値:7.5.術後合併症発症率(CD分類III以上)は16.0%であり,手術関連死は認めなかった.5年生存率(MST)はP1+2/P3は75.0/30.0%(27ヶ月)であった(P=0.015).PCIを7以下(33例),8以上(23例)に分類すると,それぞれ5年生存率(MST)は56.3%,26.8%(25ヶ月)でありPCI 7以下が良好であった(P=0.025).CC0-1とCC2-3の5年生存率(MST)はそれぞれ55.0%,0%(12か月)でCC0-1が良好であった(P<0.01).【結論】CRS+HIPECは有効な治療法と考えられ,完全減量切除が可能な症例に有効性が高いと考える.
    • 当科におけるCovid-19感染症の経験

      *黒﨑 弘正1、三浦 航星1、内海 暢子1

      1. JCHO東京新宿メディカルセンター放射線治療科

      2020年に大流行したCovid-19感染であるが、当科では放射線治療中および治療後に4例の感染が確認されている。うち1例ではハイパーサーミアが施行されていた。現時点では4例中2例の死亡が確認されている。ハイパーサーミアが施行されていた例は原発不明がん(左腋窩リンパ節 ER+)で、血管造影による治療、放射線治療後に化学療法とともにハイパーサーミアが併用されていた。その後肝臓などに多発転移が出現し、緩和的放射線治療中にCovid-19感染が確認された。感染確認後23日目でもPCRは陽性であり、31日目に癌死した。本発表ではこの症例を含めて放射線治療中および治療後の4症例を報告する。
    • 誘電型電界治療が有効であった松果体腫瘍の一例

      *竹内 晃1、琴寄 幸子1、石田 友梨恵1、新藤 康弘3、プルウォ タルノ ワルシト 4、加藤 和夫2

      1. ルーククリニック、2. 明治大学大学院 生体情報工学研究室、3. 東洋大学 理工学部 機械工学科、4. PT CTECH LABEDWAR TECHNOLOGY

      はじめに】難治性脳腫瘍に対する電界治療を単独で試み長期的な効果を得た1症例を報告する。【対象】中間型松果体実質腫瘍グレード2~3。男性58歳発症。2016年12月脳室ドレナージ及び腫瘍核出術を受けたが翌8月に再発し放射線照射、無効の為再手術を受けたが術後は寝たきり状態。2018年1月~3月のMRIでは芽腫様の速い増殖と自動性の低下が進行。【治療法】脳腫瘍用電界治療はOPTUNE NovoF -100(NOVOCURE)とECCT(CTECH LABS) が存在する。使用したECCTは脳に適応を限定せずヘルメットやジャケットに内蔵された電極プレートから100kHz以下,10~30Vppの交番電流を包むように照射し非接触で電界を形成する形式である。前記症例は大学病院から関連病院へ転院し2018年4月18日よりECCTヘルメットを朝夜に週5日着用、(C1-Oscillator, 20Vpp)で脳浮腫などの状態を見ながら5分~2時間/回まで段階的に延長していった。【結果】2020年5月現在、腫瘍の縮小が徐々に認められ自動性も改善し自力での寝返りや介助での起立が可能になっている。【結語】誘電型電界治療は周波数や作用機序は異なるがRF8などの誘電加温の非熱効果として捉える事も出来る技術である。今後、脳腫瘍以外への適応や周波数、作用機序などに関しても更なる検討が望まれる。
  • 基礎

    座長

    大西 健茨城県立医療大学 人間科学センター

    • ヒト口腔扁平上皮がんHSC-3細胞においてHikeshiのノックダウンはマイルドハイパーサーミア感受性を増強する

      *田渕 圭章1、前川 佳太1、鳥越 美沙子1、柚木 達也1、平野 哲史1、林 篤志1

      1. 富山大学

      【目的】熱ショックタンパク質 Hsp70は強力な細胞保護作用を有し,ハイパーサーミア (HT) の温熱抵抗性獲得に重要な役割を演じている.C11orf73の遺伝子産物Hikeshiは,熱ストレス条件下におけるHsp70の核輸送タンパク質として機能することが報告されている.今回,ヒト口腔扁平上皮がんHSC-3細胞においてマイルドHT (MHT) 感受性に対するHikeshiのノックダウン (KD) の効果を検討した.【方法】HSC-3細胞を42℃で90分間MHT負荷後,37℃で一定時間培養した.Hikeshiは,siRNAを用いてKDした.【結果】Hikeshiに対するsiRNAは,Hikeshiタンパク質の発現レベルを約85% KDした.非ストレス条件下,Hikeshi のKDは細胞の生存率に影響を与えなかったが,MHT負荷細胞ではそのKDによりMHT感受性が有意に上昇した.免疫細胞染色法を用いて,MHTによりHsp70は速やかに細胞質から核内に移行することを確認した.Hikeshi のKDはこの核内移行を有意に抑制した.一方,Hikeshi KDは,HSF1の活性化やHsp70の遺伝子発現には影響をおよぼさなかった.【結語】HSC-3細胞において,HikeshiのKDはMHTの感受性を増強することが明らかとなった.HikeshiはHTの新規の標的遺伝子になる可能性がある.
    • 硼素中性子捕捉療法用10B化合物投与時における低温度温熱処置と連続的低酸素細胞毒投与との同時併用の意義

      *増永 慎一郎1、真田 悠生1、櫻井 良憲2、田中 浩基2、高田 卓志2、鈴木 実3、渡邉 翼3、丸橋 晃2、小野 公二4

      1. 京都大学複合原子力科学研究所 放射線生命科学研究部門 粒子線生物学研究分野、2. 京都大学複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター 粒子線医学物理学研究分野、3. 京都大学複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター 粒子線腫瘍学研究分野、4. 大阪医科大学 関西BNCT共同医療センター

      転移能の高い黒色腫腫瘍をマウス下肢に作成後、BrdUを連続に投与し腫瘍内増殖期(P)細胞を全て標識した。ニコチンアミド(NA)投与、低温度温熱処置(40℃, 30min, MTH)、低酸素細胞毒のTirapazamine(TPZ)の連続的投与、又は、連続的TPZ投与とMTHの同時併用を施行後、原子炉中性子線ビームを用いて、10B化合物BPAまたはBSHを用いる又は双方ともに用いないBNCTを行った。BNCT直後の休止期(Q)腫瘍細胞及び全腫瘍(P+Q)細胞への効果を、BrdUへの免疫蛍光染色法を用いた小核分析法で解析し、BNCT後の肺転移能を中性子線ビーム照射17日後の肺転移結節数から解析した。BPA-BNCTはBSH-BNCTより(P+Q)腫瘍細胞への初期効果が高いが、Q腫瘍細胞への効果はBSH-BNCTより低く、MTHやTPZの併用がQ腫瘍細胞の殺細胞効果を効率良く高めた。中性子線ビーム非照射時でもNAの併用は肺転移を抑え、照射線量の増加に従って肺転移結節数も減少した。BPA-BNCT時、特にNA投与併用やTPZとMTHの同時併用時に、中性子線ビーム照射後の肺転移数が、BSH-BNCT時に比べて顕著に減少した。BSH-BNCTよりBPA-BNCTに肺転移能を抑える潜在力が認められ、NAやTPZとMTHの同時併用を用いると肺転移能をさらに抑え得る可能性が感じられた。
    • mTOR複合体を介した核内ストレス顆粒構成因子SAFB, Satellite Ⅲ RNA顆粒形成機構の解明

      *的野 恭平1、井上 歩実2、岡田 真実2、山本 理紗子2、大槻 高史1,2、渡邉 和則1,2

      1. 岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科、2. 岡山大学大学院自然科学研究科

      【目的】細胞を温熱に曝すと、核内ストレス顆粒 (nSBs) が形成される。しかし、nSBsの形成機構は不明な点が多い。そこで我々は、nSBs形成機構を明らかにすることを目的としている。我々は前回の大会にて、mTOR複合体2 (mTORC2)がHSF1顆粒を、mTORC1がRNA polymerase II (pol II)顆粒の形成を制御していることを報告した。nSBs構成因子であるSAFBはpol IIと相互作用し、Satellite Ⅲ RNA (Sat Ⅲ RNA)の発現上昇はHSF1が重要であるため、mTOR複合体による顆粒形成の制御が示唆されている。本研究では、これらの仮説を明らかにすることを目的とした。【方法】mTOR複合体構成タンパク質をノックダウン後、一定時間温熱処理した。その後、蛍光in situハイブリダイゼーションと免疫染色を行い、Sat III RNA顆粒とSAFB顆粒の形成への影響を観察した。【結果】mTORC1に存在するRaptor、mTORC2に存在するRictorをノックダウンするとSat III RNA顆粒の形成が抑制された。また、SAFB顆粒の形成はRaptorをノックダウンすることで抑制された。【結語】仮説通り、Sat III RNAの顆粒形成はmTORC1とmTORC2の両方により制御されていること、SAFB顆粒形成はmTORC1が制御していることが示唆された。
    • 高齢者HSP入浴法の検討と高齢者入浴時の特徴

      *伊藤 要子1、吉岡 涼介2、石澤 太市2、多田井 幸揮3、細川 光男2

      1. 一般社団法人HSPプロジェクト研究所、2. 株式会社バスクリン 製品開発部、3. 修文大学健康栄養学部 管理栄養学科

      目的】我々は、ヒートショックプロテイン(HSP70)を日常の入浴で高める検討をしている。今回は、先行実験の年代別入浴時体温変化から高齢者の入浴時の特徴を調査すると共に、高齢者のHSP入浴法を検討した。【対象と方法】対象の65~75歳健常男性9名(70±3.2歳)を炭酸系入浴剤使用の全身入浴で湯温40℃に10分入浴し3分休息後、更に10分入浴する40℃群と、41℃の湯に15分入浴する41℃群の2群に分け、約3週間後に両群を入れ替えて同様に実施した。体温、血圧、心拍数、HSP70、血液生化学等測定し、体力テスト、主観評価も実施した。【結果】41℃群は40℃群に比し実測体温、体温変化量ともに高値であった。HSP70は41℃群の2日後で有意に増加したが、40℃群では有意差を認めなかった。最高血圧は41℃群で40℃群に比し有意に高値を示したが、最低血圧は差を認めなかった。体力テスト、各種主観評価、血液生化学測定においても差を認めなかった。【結語】年代別40℃15分入浴での先行実験では65~69歳の高齢者は、20~64歳に比し有意に体温上昇が低く、最高血圧は有意に低下したが、元気さ等の主観評価では有意に良好で、熱い湯を好む傾向にあった。65~75歳の高齢者HSP入浴実験でも一般健常者同様、41℃15分入浴でHSP70は有意に増加したが、より負荷の少ないHSP入浴法の検討が望まれた。
    • 乳癌に対するlocal hyperthermiaと抗CTLA-4抗体の併用による腫瘍内免疫微小環境の変化

      *伊吹 依利子1、高橋 豊1、玉利 慶介1、皆巳 和賢1、瀬尾 雄二1、礒橋 文明1、小泉 雅彦2、小川 和彦1

      1. 大阪大学大学院 医学系研究科 放射線治療学講座、2. 大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 医用物理工学講座

      【目的】私たちは乳癌マウスモデルにて、Local hyperthermia(HT)と抗CTLA-4抗体(C4)の併用により、局所抗腫瘍効果のみならずアブスコパル効果も誘導し、生存も延長することを明らかにしてきた。本研究では、この併用療法による腫瘍内免疫環境の変化と、その抗腫瘍効果への関与を検討した。【方法】マウス乳癌細胞株4T1をBALB/cの両足に接種した。C4投与群(C4群)、併用治療群(HT 42.5℃, 20分+ C4群)に分け、初回治療から10日目に加熱腫瘍と非加温腫瘍を採取し、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)を解析した。【結果】加温腫瘍のTILsは、C4群と比較してヘルパーT細胞が有意に増加し、骨髄由来抑制細胞(MDSCs)は有意に減少した。Cytotoxic T細胞+ヘルパーT細胞に対するMDSCsの割合も有意に高かった。また非加熱腫瘍のTILsは、ヘルパーT細胞が有意に増加し、Cytotoxic T細胞+ヘルパーT細胞に対するMDSCの割合は有意に高かった。T細胞の移入を阻害するFTY720の投与によりHT+C4群の非加温腫瘍は、HT+C4群と比較し著明に増大し、生存日数も減少した。【結論】HTとC4の併用療法は、C4単独療法では生じない腫瘍内免疫環境を変化させた。この併用療法によるアブスコパル効果は免疫に起因するものであることが示唆された。
    • 核内ストレス顆粒の形成は温熱抵抗性に関与している

      *渡邉 和則1、大槻 高史1

      1. 岡山大院統合科学研究科

      【背景】生物は温熱に曝されるとストレス応答を引き起こすことで温熱に抵抗し、生存することができる。ストレス応答の1つとして、核内ストレス顆粒が形成されることが報告されている。核内ストレス顆粒は温熱下でのmRNAのイントロンリテンションに関与していることが報告されているが、温熱に抵抗するために形成されているのかどうかは明らかになっていない。【目的】核内ストレス顆粒の形成が温熱抵抗性に関与しているのか明らかにすることを目的とした。【方法】核内ストレス顆粒構成タンパク質5種類と長鎖非コードRNA1種類のノックダウンおよび、核内ストレス顆粒形成を抑制する薬剤を用いることで核内ストレス顆粒の形成を抑制した細胞を温熱処理したのち、24時間後の細胞増殖の割合を測定した。【結果】核内ストレス顆粒構成タンパク質・RNAのうち、HSF1およびSAFBをノックダウンすることで温熱処理後の細胞増殖が抑制された。次に核内ストレス顆粒の形成を抑制する薬剤で処理した細胞を温熱に曝すことでも細胞増殖が抑制された。また、核内ストレス顆粒の形成を抑制する薬剤で処理したことでアポトーシスがより起こりやすくなることで細胞増殖が抑制されることも明らかになった。【結語】核内ストレス顆粒の形成は温熱抵抗性に関与していることが示唆された。
  • 物理工学

    座長

    井関 祐也 八戸工業高等専門学校

    • 非接触深部加温を目的とした小型矩形空胴共振器アプリケータの開発

      *林 奈々世1、加藤 和夫2、新藤 康弘3、生田 太4、高橋 謙治5

      1. 明治大学大学院理工学研究科、2. 明治大学理工学部、3. 東洋大学理工学部、4. 日本医科大学整形外科、5. 京都府立医科大学整形外科

      【背景・目的】著者らは,変形性膝関節症の温熱治療を目的として,矩形状の空胴共振器アプリケータを開発し,その加温特性を検討してきた.ここでは,本加温システムで使用している内部電極の寸法及び励振用アンテナが被加温体の温度分布に及ぼす影響を検討した.【方法】設計・試作した持ち運び可能な小型矩形空胴共振器アプリケータ(35cm×30cm×20cm)の内部電極(1対)は,空胴共振器の両壁面に設置されており,加温エネルギーを集中させる役割を果たしている.異なる寸法を有する5種類の内部電極,及び銅板状の励振用ループアンテナを3種類準備した.加温実験では,赤外線サーモカメラを用いて,加温前の寒天ファントム(直径10.5cm,長さ10.5cm)の中央断面における熱画像を撮像した.加温電力30W,10分間加温した後,再び同断面の熱画像を撮像し,加温分布形状及び温度上昇値を計測した.【結果・結論】1対の内部電極間距離が極端に長い場合を除いて,寒天中央部が全て最高温度(5℃以上)であることから非接触深部加温が可能であることを確認した.特に,内部電極(直径6cm,長さ9cm),励振用アンテナ(板幅2cm,長さ68cm)を用いて加温を行った場合,寒天中央部での最高温度上昇は8.4℃であった.人体中の血流による冷却効果を考慮しても,膝関節深部を局所的に40℃程度まで十分に加温可能であることが分かった.
    • 非侵襲三次元超音波温度計測機能を有するRF容量結合型加温システムの基礎検討

      *入江 祐亮1、加藤 和夫2、竹内 晃3

      1. 明治大学大学院理工学研究科、2. 明治大学理工学部、3. ルーククリニック

      【目的】本研究では,RF容量結合型加温方式に着目している.この加温方式では,使用する電極径を自由に選択することにより,加温領域をある程度,制御できると考えられる.しかしながら,電極直下における組織の異常加温が懸念されており,治療効果の検討に加えて安全性確保のために非侵襲温度分布計測が必要である. 本研究では,加温前後の超音波画像から計測した三次元的な温度分布結果を示し,電極径の異なる場合における加温特性を検討した.【方法】RF加温装置に超音波温度分布計測機能を組込んだ加温システムを試作した.本実験では,異なる径の電極(5.0㎝,6.5㎝及び11.0㎝)を用いて,寒天ファントム(直径:10.5cm,高さ:10.5cm)を加温した.加温電力20W,加温時間30分とし,加温前後の超音波画像からの二次元温度分布計測,及び加温直後の寒天ファントム中央断面における赤外線サーモ画像の撮像を実施した.なお,超音波二次元温度分布計測結果を複数枚重ね合わせることにより,寒天内部の三次元温度分布を表示した.【結論・結語】RF加温時における寒天内部の超音波温度計測結果と赤外線サーモ画像による温度分布計測結果とが,寒天中央断面において二次元的によく一致した.さらに,使用する電極径の違いによる加温領域における温度分布の差についても定量的に明らかにした.今後の予定として,超音波温度分布計測精度の改善を行う.
    • 人体形状寒天ファントム内部の超音波三次元温度分布計測に関する基礎検討

      *榊原 涼介1、加藤 和夫2、崔 博坤2、竹内 晃3

      1. 明治大学大学院 理工学研究科、2. 明治大学理工学部、3. ルーククリニック

      本研究では、超音波画像を用いた非侵襲温度計測機能を有する「High Intensity Focused Ultrasound (HIFU) 治療装置」の開発を行っている。この治療法では、超音波を一点に集束させ、高温度で腫瘍を焼灼するため、腫瘍周辺の正常組織を傷つける恐れがある。具体的には、骨、脂肪、筋肉等の各組織の音響インピーダンスの違いによって、超音波は反射散乱するため、焦点位置の正確な把握が容易ではなく、超音波が目的部位に集束しない場合も考えられる。本研究では、集束超音波加温時における生体内温度分布の把握を目的として、人体内部を模擬した簡易モデル(寒天ファントム)を用いた集束超音波照射実験および、その際の焦点位置近傍における超音波画像から非侵襲的な温度分布計測を実施した。我々は、すでに超音波速度が温度に依存することを利用した温度計測手法を提案している。本研究では、より臨床に向けた検討を行うために、実際の人体形状に近い簡易モデルを加温対象として温度計測を実施した。具体的には、加温領域を正確に把握するために加温前後における対象物内部の超音波画像を複数層において撮像し、各層における二次元温度分布を重ね合わせることで三次元的に温度分布を把握した。
    • 簡易人体形状モデルを用いた超音波圧力伝搬に関する基礎検討

      *小島 陽貴1、榊原 涼介1、加藤 和夫1、竹内 晃2

      1. 明治大学、2. ルーククリニック

      悪性腫瘍の低侵襲治療法としてHIFU(High Intensity Focused Ultrasound)療法が注目されている. この治療法では, 体外部より目的部位に超音波を集束させ, 焦点近傍の温度を70℃程度以上にすることで癌組織を焼灼する. しかしながら, 実際には超音波は生体組織内で反射散乱するため, 正確な焦点位置を把握することは容易ではない. そのため目的部位以外に超音波が集束し, 正常組織を焼灼してしまう危険性がある. 本研究室では, 臨床において安全性をチェックするために使用されているMRIに代わる手法としてFDTD( Finite Difference Time Domain )法を用いたHIFU療法を提案している. そこで本研究では, より安全なHIFU治療を行うため, コンピュータシミュレーションによって, 超音波が伝搬する様子を事前に算出し, 検討した. 具体的には,アクリルを骨, 寒天ファントムを筋肉に模擬した簡易人体形状モデルを作成し, これを用いて解析を行った.
    • 矩形空胴共振器アプリケータの加温位置制御に関する基礎検討

      *高松 知景1、加藤 和夫2

      1. 明治大学大学院、2. 明治大学

      本研究室では、非接触ハイパーサーミア治療を目的とした空胴共振器加温方式を提案している。その特長として、矩形状の空胴共振器を用いているため、非接触深部加温、加温領域制御の可能性等が挙げられる。本研究では、様々な部位の腫瘍の効果的加温を目的として、矩形空胴共振器内に、2種類の異なる直径を有する1対の内円筒径を設置し、さらに被加温体の設置位置を移動する手法を提案した。具体的には、ここでは3パターンでの加温実験を想定し、まず、上部及び下部の内円筒径はともにΦ50mmとし、人体形状寒天ファントム設置位置は内円筒間隙部の中央部とした。なお、人体特有の形状が加温特性に与える影響を考慮するため、被加温体として、自作の人体形状寒天ファントムを用いた。次に、上部及び下部の内円筒径をそれぞれΦ90mmおよびΦ50mmとし、人体形状寒天ファントム設置位置は、同様に内円筒間隙部の中央部とした。さらに、上部及び下部の内円筒径を同様にそれぞれΦ90mmおよびΦ50mmとし、人体形状寒天ファントムの設置位置を内円筒間隙部の中央から下方向に15mm移動した。ここでの加温条件はいずれも、加温電力50W、加温時間30分である。それぞれの条件下での加温パターンを評価するため、加温終了直後に、人体形状寒天ファントム中央断面における赤外線サーモ画像を撮像した。以上の加温実験結果から、本加温装置の有用性を明らかにした。
    • 簡易頭部モデルに対する矩形型空胴共振器の加温特性

      *上野 晴奈1、井関 祐也1

      1. 八戸工業高等専門学校

      本研究室では、非接触状態で深部局所加温が可能な空胴共振器加温装置を提案している。先行研究においては円筒型空胴共振器による加温実験およびコンピュータ・シミュレーションによる数値的検討からその有用性を示してきた。しかしながら、従来の円筒型の場合、首や頭部への治療を想定した場合にはアプリケータ内部に挿入する領域が広く、眼球や耳などの感覚器がアプリケータ内部に置かれることでこれらの組織が異常加温されてしまう危険性があった。そこで、本研究では空胴共振器内部への頭部の挿入領域を減らし、効率的な加温を行うために矩形型空胴共振器加温装置による頭部治療を提案している。これまでの検討では、生体深部を効果的に加温可能な共振周波数の特定を電磁界解析および温度分布解析によって行い、頭部治療用矩形型空胴共振器の設計が完了している。さらに、加温位置制御の可能性を確認しており、その有用性を示してきた。本研究では矩形型空胴共振器の頭部治療の有用性を示すため、ここでは口腔癌を想定した口腔や歯を設けた簡易頭部モデルを用いた有限要素法によるコンピュータ・シミュレーションによって加温特性を評価した。具体的には円筒型空胴共振器や容量結合型加温装置による加温特性との比較から矩形型空胴共振器加温装置の有用性を示した。
    • ディープラーニングによる全自動非侵襲温度計測システムの開発

      *西舘 嗣海1、井関 祐也1

      1. 八戸工業高等専門学校

      本研究室では、これまで超音波画像診断装置を応用した温度計測手法を構築してきた。本研究ではこれらを更に発展させ、機械学習を導入することで全自動非侵襲温度計測システムの開発を行った。本温度計測システムは3つの工程に大別でき、具体的には(1)畳み込みニューラルネットワークによる画像処理パラメータの推定、(2)画像処理による超音波画像変位量の算出、(3)ニューラルネットワークによる温度キャリブレーションである。先行研究においては(2)及び(3)の有用性を示した。具体的には、超音波画像から温度分布の可視化を行い、1℃以下の精度でニューラルネットワークによる温度推定が可能であることを示した。本研究ではこれらを発展させ、畳み込みニューラルネットワークによる画像処理パラメータ推定プログラムの構築を行った。本ネットワークは加温前後の超音波画像を入力データとし、畳み込みニューラルネットワークによって特徴量を抽出することで(2)の画像処理工程において最適な解析パラメータ(テンプレートサイズ等)を出力する。ネットワークの評価には、学習に使用していない新たなデータを用い、本システムの推定結果との誤差を検討した。最後に、(1)から(3)の一連の工程を経て得られた、ディープラーニングによる温度計測結果とサーモカメラおよび熱電対による計測結果とを比較し、開発した全自動非侵襲温度計測システムの妥当性を評価した。